BrowserStack にてそれぞれデフォルト設定のブラウザで調査。IE 中心に調べたので他のブラウザは網羅的ではない。あとから補完して別途公開したい。

サマリー

最も一般的な挙動は、追加日時 (おそらく最終更新日時) が古いものを一件削除し、新しいクッキーを受け入れるという、LRU 的なアルゴリズム。ここからブラウザやバージョンによってバリエーションがある。

• Chrome は一件ではなく一度に三十件削除する
  • その代わり受け入れるクッキー数は多め
  • バックエンドを Chromium (Blink) に切り替えてからの Opera も同様
• 古い Opera は、追加しようとしたクッキーを受け入れ、その次に新しいもの一件を削除する。
• Safari は単に追加順ではなく独自のソート順でクッキーを管理。その降順または昇順で一件を削除する。
  • バージョンによって動きがばらばらなので、詳しく調査したい。

IE

Firefox

Chrome

Opera

• opera は Version 12 を最後にレンダリングエンジンを Presto から Blink に切り替えている。

Safari

• Safari 4.0 のクッキーは追加日時の降順 (新しいものが先頭、古いものが後方) にならぶ。他のブラウザは昇順だった。
• Safari 5.1〜6.0 のクッキーは単に追加順ではなく、一定の法則でソートし保存されている。削除はこのソート順に行われるようだ。ソートの方法は短時間に cookie が set された場合、そのうちいくつかをまとめて辞書順に登録しているように見える。サーバサイドからの Set-Cookie ヘッダをどう処理しているかはこの調査からはわからないので、別途。
• Safari 7.0 は逆にソートの降順に一件削除している。

Safari の動きは不可解なので、より詳細に調査したい。

スクリプト

検証に使ったスクリプトはこちら

おおまかな動きは次のようなシンプルなもの

• js で document.cookie に一件ずつクッキーを書き込み
  • 容量制限に引っかからないよう、キーは二文字、値は “1” という一文字にする
  • expire はランダムな未来の日付
• “書き込み試行回数 != document.cookie に入っているクッキー数” になった時点で、処理を終了
  • 書き込み試行回数、現在のクッキー数、document.cookie の中身を表示