Who You Are - 君の真の言葉と行動こそが困難を生き抜くチームをつくる
What You Do Is Who You Are - Andreessen Horowitz
a16z のベン・ホロウィッツによる組織文化についての本。
前著の HARD THINGS から、著者はかなり実践の人だなと言う印象だった。ちゃんと自分で考えて、自分で一番やる人。なので信頼ができる。今回はその彼の哲学がより客観的に明文化されていた。
実践タイプの人の本は経験則に偏りがちで、一般化・相対化が弱いことがあるが、本書はそんなことはない。歴史上の事実を集めてそこから論を展開しているのは、素直に興味深かった。
この本で一番大事なことは原題で端的に言い表されていると思う。
What You Do Is Who You Are
つまり、自分は何を大事にしているか、そしてその通りに行動しているか。読みながら過去を省みて、できていなくて落ち込んでしまう。自分の今いる会社もだし、何より自分ができていない。
それはなぜか。
- 自分は何を大事にしているか(who you are)をしっかりと定義したことがなかった
- なんとなく自分の中にあるものを、よりシャープにするためのプラクティスが解説されている
- 個人的には武士道からひいたという、信条ではなく行動規範で定めるという発想の転換が新鮮だった
Who you are
とあるように、自分で考えて自分の身になっていないと意味がない。ここが一番難しいと思う
- その通りに行動する(what you do)をこんなに重く考えたことがなかった
- こちらもプラクティスが紹介されていたが、何より本書読みながら考えを巡らせられたのが良かったと思う
- HARD THINGS から続く著者の熱量高め・真剣なムードによって、言行一致の難しさを多少なりとも感じられたと思う
クレイトン・クリステンセンの本 でも一部近い話があったが、論のアプローチもムードも全然違う。この本を読んでいると、ベン・ホロウィッツに、彼のあのムードで説かれながら、自分の過去を振り返ることになる。その体験の価値が高い気がする。(なので論点のまとめ記事を読むのではなく、通読するのが個人的にはおすすめ)
邦訳に関しては、邦題から What You Do Is
が省かれているのが不満。それ以外は、訳も非常に読みやすく、満足です。
ベン・ホロウィッツ (著), 浅枝 大志 (翻訳), 関 美和 (翻訳) 形式: Kindle版